相手に寄り添うコミュニケーションとは

 4月になり、弊社にも新卒3期生が入社いたしました。新入社員の中には、同期・社員などビジネスでのコミュニケーションと、学生時代のコミュニケーションにギャップを感じている方もいるのではないでしょうか。また、上司としても、部下とのコミュニケーションにおいて意識するポイントがあると思います。今回は、部下目線・上司目線の両者から、相手に寄り添うコミュニケーションの重要性を見ていきます。

1.部下が上司とのコミュニケーションで意識すること

 リクルートマネジメントソリューションズ社が、2022年の新入社員に向けて実施した働くうえで大切にしたいことの意識調査では、「仕事に必要なスキルや知識を身につけること」、「社会人とのしてのルール・マナーを身につけること」に続き、「周囲(職場・顧客)との良好な関係を築くこと」が3番目に多い結果となっています。また、過去の調査結果と比較すると、働くうえで周囲と良好な関係を築くことを意識する人の割合は、年々増加していることが分かります。

 周囲と良好な関係を築くうえで、コミュニケーションは欠かせない要素となります。一方で、入社してからのコミュニケーション方法に不安を覚える新入社員も多いのではないでしょうか。筆者自身も、2021年にDirbatoへ入社したばかりの頃は、学生時代のコミュニケーションとの差にギャップを感じていました。特にギャップを感じたのは、「相手目線でのコミュニケーションが求められる」点です。学生時代は、部活やバイトなどで他者と関わることはあっても、「自分はこうしたい」、「自分はこう思う」というように、主はあくまで「自分」であり、雑談ベースのコミュニケーションをとっていました。
 しかし、社会人になるとビジネスでのコミュニケーションが求められます。お客様や上司に的確な情報を伝えることや個人の考えを主張するだけではなく、組織・チームの中で共通言語を持つためにも自分を受け入れてもらう意識が重要です。自分を受け入れてもらうには、言葉遣いや態度などのマナーを理解した上で、相手に寄り添ったコミュニケーションが必要となります。「自分の考えは、相手にどのように伝わっているのか」と考えることで、相手を受け入れてもらいやすくなり、周囲と良好な関係を築くことに繋がると考えます。                    


「【調査発表】新入社員意識調査2022」 
引用:リクルートマネジメントソリューションズ
https://www.recruit-ms.co.jp/press/pressrelease/detail/0000000377/

2.上司が部下とのコミュニケーションで意識すること

 次に、上司目線において、部下とのコミュニケーションで意識するといいポイントを見ていきます。筆者自身が上司とコミュニケーションを取る中で、自分に寄り添ってくれていると感じた実体験も踏まえたポイントとなっています。

●部下というレッテルを貼らない
 部下からの提案、意見などを「部下の主張だから」と軽視するのではなく、一個人の主張として受け入れることが重要です。筆者も、これまで上司に対して、「こうしたい」と主張をして、受け流されたことはありません。どの上司もきちんと筆者の提案に向き合って、ブラッシュアップに向けた改善点を教えてくださいました。
 もちろん、部下からの意見は粗削りな部分も多いでしょう。しかし、部下が意見をすることに萎縮しないよう、一度意見を受け入れた上で、今後改善すべき点を教示することが、信頼を築くことにも繋がると考えます。


●十分に会話をする場を設ける
 業務をしながら、部下と1対1で密にコミュニケーションを取る場を設けることは難しいことでしょう。しかし、部下からすると、「上司が忙しそうだから、また後で聞きたいことを聞こう」という思考になるケースが多いです。部下が適切なタイミングで報連相を行うスキルを培うことも重要ですが、上司からも十分に会話する場を設けることで、部下のモチベーション維持や成長に繋がります。
 また、業務以外の話をする機会も、互いを知る上で重要になります。個人の考え方や趣味嗜好をフランクに話すことで、「こういうことをしたら、この人はこう思うのか」というような相互理解を深めるきっかけとなり、より相手に寄り添うコミュニケーションができるようになるでしょう。

●指示を理解できているかを確認する
 上司から部下に対して、何かを伝えたり、指示したりする場面は一緒に仕事をしていく中で多くあります。その際、一方的に伝えるだけで終わるのではなく、双方向でのコミュニケーションを促すことが必要となります。そのためには、部下に対して「伝えたことを、自分に説明してみてほしい」と、伝えたかったことが伝わっているかの確認をするといいでしょう。部下が自分の言葉で説明できなかった場合は、改めてポイントを絞った指示をすることで、認識齟齬が生じにくくなります。
 筆者も、上司から指示されたことを再度自分の言葉で説明したことがきっかけで、理解できている部分とできていない部分が明確になった経験があります。部下と上司で双方向のコミュニケーションが活発になるよう、理解の共有は頻繁に行うべきだと考えます。

3.部下・上司の両方がコミュニケーションで意識すること

 最後に、部下・上司の両方がコミュニケーションで意識するといいポイントを見ていきます。

●口に出して伝えることの大切さ
 言葉で言わなければ、自分が考えていることは相手に全く伝わりません。業務が忙しい中で、互いに「察してほしい」と思うばかりだと、ストレスが溜まってしまいます。口に出して伝えることは、対面に限らず、リモートワークにおいても大切な要素となります。気軽に伝えることができないからこそ、より「伝える意識」を持つことが重要だと考えます。

●「教わる」という意識を持つ
 部下は上司から業務や仕事の進め方を教わる一方で、上司は部下からあらゆる情報を比較検討することが得意なことを教わるなど、互いが教わる姿勢であれば、対話も弾みます。「教えるだけ」、「教えられるだけ」というように、一方的な意識ではなく、「教わる」という双方的な意識を持つことで、個々のモチベーションやスキルアップにも繋がるでしょう。

●ポジティブワードを使う
 業務を遂行するうえで、互いのモチベーションを保つためにもポジティブなワードを使うことを意識するといいです。ただし、無理やり明るく振る舞うべきということではなく、肯定的な言葉を使うことが大切だと考えます。肯定的な言葉を使うことで、部下は上司に意見や相談をしやすくなり、上司は部下に指示を出しやすくなります。結果として、モチベーション向上だけでなく、業務が円滑に進むきっかけになるでしょう。

4.まとめ

 4月になり、新しい環境で初めて出会う人とコミュニケーションをとる機会も増えたと思います。周囲と良好な関係を築くには、どうしたらいいのかと不安に感じることもあるでしょう。
 自分の主張を伝えることに萎縮しないためにも、相手に受け入れてもらうコミュニケーションをとっていくことが必要となります。年齢に限らず、他者とコミュニケーションを取る上で「相手に寄り添う」意識を持つことで、共通言語を持ちやすくなり、互いの考えを受け入れていくことができると考えます。

執筆者
H.Morita
株式会社Dirbato(ディルバート)
コンサルティンググループ コンサルタント

大学卒業後、新卒としてDirbatoに入社。クライアントの支援業務に従事。大手通信会社、金融業界のプロジェクトマネジメントを経験し、業務面での要件定義を含むプロジェクト推進、IT面での多くの関係者を巻き込むシステム開発推進などを担当。クライアント支援業務の一方、社内の様々な企画・イベントに携わり、新卒1期生として会社の発展に寄与する活動を行っている。
監修
小河原 尚代
株式会社Dirbato(ディルバート)
コンサルティンググループ パートナー

大学卒業後、大手SIerに入社。その後、日系総合コンサルティングファーム、外資系金融企業に参画。 DX推進、プロジェクトマネジメントを得意テーマとし、DX推進の一環で、IT組織変更も多く支援実績を持つ。 組織改革やシンプル化・自動化といった業務改革のマネジメント経験を豊富に有する。 クロスボーダーな課題解決が求められるグローバルプロジェクトの責任者も歴任。 2020年4月1日株式会社Dirbatoに参画。